スペースシャトルが最後の宇宙飛行を終え帰還

 地球を周回飛行中の国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を運んだ米国のスペースシャトル「アトランティス」(ファーガソン船長ら4人乗り組み)は、米国時間7月21日午前5時57分、米国フロリダ州ケネディ宇宙センターに無事帰還、任務を終えた。
 7月8日に打ち上げられた「アトランティス」の今回の飛行は、スペースシャトルとしては最後の宇宙飛行だった。これで、スペースシャトルは、30年の歴史に幕を閉じて全機退役、米国に人間を宇宙に運べる宇宙船は当面無くなった。
 スペースシャトルは、ロケットのように垂直に打ち上げられ、グライダーのように滑走路に着陸、再使用可能な人も荷物も運べる宇宙船として、1981年4月12日に「コロンビア」が初めて宇宙飛行に成功。その後、「チャレンジャー」、「ディスカバリー」、「アトランティス」、「エンデバー」が作られ、今回の「アトランティス」の飛行まで、この5機で計135回宇宙飛行し、1998年から建設が始まったISSへの要員派遣、物資補給などに活躍し、ハッブル宇宙望遠鏡のような宇宙探査機や多くの人工衛星打ち上げに使われた。
 スペースシャトルは、我が国の有人宇宙活動にも大きく貢献した。1992年9月の毛利衛さん以来、これまでに7人の日本人宇宙飛行士がスペースシャトルで12回、宇宙飛行している。ISSの日本実験棟「きぼう」も3回に分けてスペースシャトルでISSに運ばれ、組み立てられた。
 スペースシャトル引退後のISSへの有人アクセス手段は当面、ロシアの「ソユーズ」宇宙船だけとなる。
 引退したスペースシャトルは、事故で失った「チャレンジャー」(1986年1月28日、打ち上げ直後に空中爆発。7人死亡)と「コロンビア」(2003年2月1日、地球帰還時の大気圏再突入時に空中分解。7人死亡)を除いた3機の機体が米国内の博物館などで展示される。「ディスカバリー」はワシントン郊外のスミソニアン博物館、「アトランティス」はケネディ宇宙センター、「エンデバー」はロサンジェルスのカルフォルニア科学センターで見られることになる。

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