陸域観測衛星「だいち」に電源異常が発生
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月22日、陸域観測衛星「だいち」(ALOS)の電源系に異常が発生し、搭載している観測機器の電源が切れていることが判明したと発表した。「だいち」は、地図の作成や災害状況把握、資源調査など目的に2006年1月に打ち上げられ、今年の1月以降は5年間の目標寿命を超えて運用されていた。同機構は、原因調査を急ぎ、必要な対策を講じたいとしている。
 同機構によると、「だいち」の異常は、データ中継衛星「こだま」による中継データから判明した。同衛星は、電源として幅3.1m、長さ22.2mの太陽電池パネルを持っているが、4月22日午前7時30分頃に発生電力が急速に低下したため、消費電力を節減する軽負荷モードに切り替え、衛星の機能を最低限確保するようにした、という。
 「だいち」は、世界最大級の地球観測衛星で、[1]標高など地表の地形データを読み取るパンクロマチック立体視センサー、[2]赤外線や可視光で土地表面の利用状況などを調べる高性能可視近赤外放射計、[3]昼夜・天候を問わず電波で陸地の観測が可能なフェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダーを搭載しており、陸地の状態を詳しく観測していた。

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陸域観測衛星「だいち」