自動車の正面衝突防ぐ新防護柵の衝突試験を公開
:土木研究所

 (独)土木研究所は1月12日、自動車の正面衝突事故防止対策として期待されている「ワイヤーロープ式防護柵」に実際の乗用車を高速で衝突させる試験を行い、関係者に公開した。
 ワイヤーロープ式防護柵は、2車線道路の正面衝突を防ぐ中央分離帯として設置するもので、既にスウェーデンなどで導入されている。2車線道路の中央部に一定間隔でたてた細い支柱にワイヤーロープを通した簡単な構造で、自動車がぶつかると衝撃をワイヤーロープが受け止め、車が対向車線にはみ出すのを防いで正面衝突を防止する仕組み。今後の高規格道路用安全策として注目されている。
 衝突試験は、つくば市(茨城)の国土交通省国土技術政策総合研究所の衝突実験施設内で行われ、設置したワイヤーロープ式防護柵に時速100kmで乗用車を衝突させたところ、車の損傷は軽く、反対車線へのはみ出しも約1.2mと実用化に必要な1.5m以内に収まった。
 ワイヤーロープ式防護柵は、設置コストがガードレールの約半分と安く、手動でワイヤーロープを支柱から外すことができるため事故などの緊急時に邪魔にならないという特徴も持っている。
 ワイヤーロープ式防護柵は、衝撃吸収能力が高いことからスウェーデンでは、導入によって交通事故死者数と重傷者数が大幅に減少したとする報告が発表されている。

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