物材機構の青野氏が米国の「2010年ファインマン賞」を受賞

 (独)物質・材料研究機構は1月13日、つくば市(茨城)にある同機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(略称・MANA)の青野正和拠点長が、米国の「2010年ファインマン賞」受賞者に選ばれたと発表した。
 同賞は、「個々の原子や分子を操作する挑戦的なナノテクノロジー(超微細技術)による革新的な技術」を開発した研究者に贈られるナノテク分野の代表的な国際賞。米国のノーベル物理学賞受賞者リチャード・ファインマン博士の提唱で設けられ、米国の非営利組織、フォーサイト・インスティテュートが1993年から毎年授与している。2009年は、アジアで初めて大阪大学の阿部真之准教授らが受賞しており、2年続けての日本人受賞となった。
 同氏は、世界のナノテク研究を先導する独創的研究者として知られ、米国化学会は同学会の学術誌で同氏を「原子スケールの制御とナノ加工のリーダー」と紹介している。
 受賞は、原子を走査トンネル顕微鏡の探針を使って自由に操ることを可能にしたことや、多探針走査トンネル顕微鏡の開発、原子スイッチの開発などが評価されたもので、「現在のナノテクノロジーにブレークスルーをもたらしたあらゆる世代の研究者に対してインスピレーションを与えてきた」と評している。

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青野正和氏(提供:物質・材料研究機構)