ギネスが岩手・宮城内陸地震の最大加速度を「世界記録」と認定
:防災科学技術研究所が発表

 (独)防災科学技術研究所は1月11日、2008年6月14日の岩手・宮城内陸地震で観測された最大加速度4,022ガルが、地表最大加速度の世界記録としてギネスに認定されたと発表した。これまでの記録を1.5倍強上回った。
 岩手・宮城内陸地震は、仙台市(宮城)の北約90km、岩手県の内陸南部の深さ10kmで発生した地震で、マグニチュード7.2だった。奥州市(岩手)と栗原市(宮城)で最大震度6強を観測、山林が崩壊したり土砂崩れが多発するなどの被害が出た。
 今回ギネスに認定された最大加速度は、震源断層直上の観測点で得られた。防災科研は、1995年の兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)を教訓に、全国1,700以上の観測点からなる強震観測網の整備を進め、2004年からは地震計を更新して観測可能な加速度の範囲を当初の2倍に拡大した。これにより、震源断層のごく近くで生じた大加速度波形の記録に成功したという。これまでに記録されていた最大加速度は、2004年の中越地震の最大余震の際に新潟県川口町の震度計で観測された2,516ガルとされている。
 今回の地震の記録は、観測点が地震断層の直上であったことから、通常の記録とは逆に加速度の上下成分が水平成分より2.5倍以上大きいという特徴が認められたという。
 また、大加速度時に上下動成分が下向きに比べ上向きに大きく揺れる非対称性(片揺れ)が認められ、防災科研はこの新知見を「トランポリン効果」と名付けて学会などで発表している。

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