継続的な「眼球トレーニング」で子どもの「見る力」が向上―眼の運動を長期間続けることで:筑波大学
(2026年9月28日発表)
筑波大学は9月28日、子どもが目を動かす「眼球トレーニング」運動を長期にわたって継続して続けると「見る力」が向上する可能性があることが分かった、と発表した。
見る力とは、物や状態をただ単に見る視力だけでなく、目に入った状況を瞬時に脳で処理して行動や理解に繋げる視覚・認知力のこと。
子どもの成長期には、目や耳の奥にある前庭(ぜんてい)と呼ばれる器官や、足の裏などから得られる感覚情報を脳が統合して姿勢や体の動きを調整するバランス能力が発達し、学齢期になると運動能力や協調性が大きく伸びる。
これまでも視線をすばやく移動させたり、動くものを目で追ったり、頭を動かしながら対象を見る運動などから構成される眼球トレーニング運動には、「見る力」を高める効果があると期待はされていた。
しかし、実際に子どもが目を適度に動かす眼球トレーニングに長期間にわたり継続して取り組めるのか、また、その継続がどのような影響を及ぼすのか、などについてはまだ十分、分かっていない。
そうしたことから筑波大学は、2024年11月から12月にかけて公募したつくば市(茨城県)在住の8~15歳の子ども30人に対して自宅で動画を再生しながら24週間の長期にわたる眼球トレーニングを実施し、今回得られた結果を発表した。
トレーニングの内容は、視線をすばやく飛ばすように動かすサッカードと呼ばれる眼球運動、目標をなめらかに追う運動、前庭動眼反射(手ぶれ補正機能)を用いた運動などで構成され、各人のそれらの専用動画の実施状況を筑波大が開発した在宅運動支援システム(SUKUBARA®)に自動記録してどの程度継続できているかを把握した。
その結果、参加した30人の対象者(8~15歳の子ども)は、平均週4.6回トレーニングを実施し、28人が24週間の全プログラムを完了(完遂率93%)したことが判明、目と手の協調や、動くものを「見る力」が向上し、動く数字を正確に読み取る力に有意な向上が見られた。
研究者は、対照群を設けていないため「断定はできないが」としながらも「子どもを対象とした24週間の在宅眼球トレーニングは高い継続率で実施可能であることが分かった」と話している。



