(独)国立科学博物館の筑波実験植物園(茨城・つくば市)は8月12日、熱帯雨林の特殊な環境で生きる植物を8月15日から一般公開することになったと発表した。
同植物園には、温室が4棟あり、今回の公開はその内の1棟「熱帯雨林温室」の1階にある低地林のコーナー(広さ500m2)で、約200種類の熱帯植物を見ることができる。
同園では、「動けないという宿命を負った植物が極限の環境をしのぐためにどのような進化を繰り広げたかを感じてもらえるユニークな展示になっている」と言っており、世界でも珍しい黒いラン「シンビジウム・カナリクラツム」や、絶滅危惧種のラン「バンダ・サンデリアナ」、もっとも原始的なサトイモ科の植物「ギムノスタキス」などの花が咲いている。
「バンダ・サンデリアナ」は、1,000種類以上ものランが見つかっている“ラン王国”のフィリピンが原産。その花は、同国のコインの図柄に使われるほど親しまれているが、今や絶滅の危機に追い込まれている。
No.2009-32
2009年8月10日~2009年8月16日