初の「街区エネルギー環境制御システム」実現に向け都市観測研究を実施:国立環境研究所/川崎市

 (独)国立環境研究所は8月11日、川崎市(神奈川)と共同で、新たな「街区エネルギー環境制御システム(UCPS)」の開発に向けて、気温や湿度の分布、緑地や水辺の風向など、地域の環境特性をモニタリングする都市観測研究を川崎駅周辺の住宅地・商業地約42ha(ヘクタール)で実施すると発表した。
 この共同研究は、両者が今年1月に締結した「環境技術による国際貢献を進めるための連携・協力に関する基本協定」に基いて行なわれる。
 街区エネルギー環境制御システムとは、室内温度にプラスして外部の気温や湿度や風向など、都市街区での計測情報をインターネットを通じて同時に取り込み、空調エネルギーを街区単位で効率的に制御するシステムをいう。これまで、このようなエネルギー制御を建物単位で行なうことはあったが、対象を街区まで広げた例はまだなく、低炭素社会形成に向けた世界でも初めての実証的技術開発研究になる。
 実際に街区の環境特性モニタリングを行なうのは、川崎駅周辺の川崎市都心の商業地/住宅地(650m四方の街区と、これとは少し離れた地点にある集合住宅)の42ヵ所で、風向・風速・大気温度・湿度を観測する環境モニタリング装置を街灯の支柱や屋上などに設置する。こうして、外気活用の空調制御シミュレーションに向けた街区微気象データの収集など行なうと共に、高層ビルや緑地などの異なる土地利用が街区や周辺地域の熱環境に及ぼす影響の定量化を図る。

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