国土交通省の国土地理院は8月11日、同日発生した静岡県の駿河湾を震源とする地震(マグニチュード6.5、最大震度6弱)に伴う地殻変動を焼津市(静岡)とその周辺の「電子基準点」で検出し、同日開かれた国の地震調査委員会に報告したと発表した。
電子基準点は、GPS(全地球測位システム)衛星からの電波を受信して地殻の変動を常時ウオッチしている高さ約5mのマッチ棒に似た形をした観測塔のこと。別名を「GPS連続観測点」といい、全国約1,200地点に設置されており、観測データはリアルタイムでつくば市(茨城)の同院に送られ、地震や火山噴火などによる地殻変動の把握に利用されている。
今回の地震による地殻変動は、焼津市と藤枝市(静岡)の3ヵ所の電子基準点で検出され、電子基準点「焼津A」で西方向に約2cm、同「P焼津」で西北西方向に同1cm、同「M高洲」(藤岡市)で西北西に同1cmそれぞれ水平変動したことが分かった。
気象庁は、今回の地震の発震機構を「北北東-南南西方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型」と発表している。同院は、電子基準点3カ所の検出結果について「気象庁の考え方と整合的で、地震時の地殻変動を示している」といっている。
No.2009-32
2009年8月10日~2009年8月16日