何とピンク色の湖、「だいち」が撮影:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月11日、同機構の陸域観測技術衛星「だいち」が捉えたアフリカのピンク色をした湖の画像を公開した。
 この湖は、タンザニア連合共和国のナトロン湖。ケニアの首都ナイロビから約120km南の位置にある。湖沼の多くは、アオコと呼ばれる浮遊性の藍藻(らんそう)の繁殖で青緑色に見えるが、このナトロン湖は正にピンク一色。しかも、このピンク色の正体も藍藻というから驚く。
 ナトロン湖は、長さ50km、幅20km、水深3mという大きな塩水湖。すぐ近くに日本の富士山によく似た形の活火山オルドイニョ・レンガイ山(標高2,960m)があり、湖底などから炭酸ナトリウムが噴き出ているアルカリ性の強い塩湖であるため、アルカリ分を好む浮遊性の藍藻が繁殖し、湖水全体がその微小生物の色のピンクに見えるというわけ。
 ナトロン湖には、数多くのフラミンゴが生息し、その中のレッサーフラミンゴと呼ばれる種は藍藻が主食でピンク色をしているが、餌が少なくなると白くなることが知られている。
 「だいち」は、2006年1月24日に「H-IIA」ロケットで打ち上げた世界最大級の地球観測衛星。重さは、約4tで、3つの地球観測センサーを搭載している。今回公開した画像は、「高性能可視近赤外放射計2型」と呼ばれる観測センサーを使って2008年8月7日に撮影した。

詳細はこちら

陸域観測技術衛星「だいち」から写したピンク色をしたナトロン湖の一部(提供:宇宙航空研究開発機構)