(独)産業技術総合研究所(産総研)は3月5日、サービス産業またはサービスそのものを研究の対象とする「サービス工学研究センター」を4月1日に設立すると発表した。
我が国のサ-ビス産業は、GDP(国内総生産)ならびに雇用ベースで日本経済の7割を占めるようになり、製造業と並んで日本の経済成長の牽引役となることが期待されている。しかし、近年のサービス産業における生産性の伸び率は低く、持続的な経済成長のためには生産性向上が急務となっている。
これまでサービスは、産業界においても大学や研究機関においても、十分に研究対象とはなっていなかった。こうした事情から産総研では、サ-ビス産業生産性協議会と連携し、研究開発を通じサービスの生産性向上のための科学的・工学的手法を確立し、組織的にサービスを科学的・工学的な視点から研究する新しい研究センターを設立することを決めた。
産総研では、これまで業務プロセスなどサービスに関する研究を、各部門で個別に進めてきたが、今後はこの研究センターを、[1]サービス工学研究の組織的推進母体、[2]産総研内の研究組織を横断する連携体制の核、[3]外部関係諸機関(産業界、大学、行政機関など)と円滑に連携できる窓口とする。研究センター長には、産総研の吉川弘之理事長が就任する予定。
同研究センターでは、[1]大規模なデータ・モニタリング研究(観測・分析)、[2]最適化研究(設計)、[3]サービス・プロセス研究(適用)を研究の柱とし、様々なプロジェクトを通じて、個別サービス産業の問題解決を図ると共に、サービスの生産性向上などの研究を進める。
No.2008-9
2008年3月3日~2008年3月9日