(独)産業技術総合研究所は10月16日、同研究所独自の画像認識技術を用いて、カメラの映像から異常動作をリアルタイムで自動的に検出するソフトを開発したと発表した。
近年、安全対策への関心が高まるに伴い、監視カメラの映像を事後確認に利用するだけにとどまらず、自動識別に利用するためのシステムの実現が強く望まれている。
同研究所では、これまで「CHLAC」(立体高次局所自己相関特徴法)という計算方法を考案し、それに基づいてカメラ映像中からの人物識別や、異常行動の検出などを行うための基本技術を開発した。今回、CHLACの計算手順を改良して計算速度を約10倍に高速化し、ノート型パソコンのような小規模レベルの処理系であっても複数のカメラ映像をリアルタイムで同時処理することを可能にした。
また、パソコン画面上の処理内容を示すアイコンを結ぶだけで、カメラから取り込んだ動画像の処理システムを平易に構築できる動画像処理プラットフォームソフトを同時に開発し、CHLACと合わせて専門的知識がなくても自動監視システムを構築できるようにした。
新ソフトを搭載したシステムによる実験では、ロッカーを普通に開閉するシーンを学習しておくことで、ロッカーのこじ開けなど通常から外れた動作を的確に検出した。
監視カメラの自動化に向けたこのシステムは、11月28~30日東京ビッグサイト(東京・有明)で開催される「産学官技術交流フェア」で展示・公開する。
No.2007-41
2007年10月15日~2007年10月21日