国土交通省国土地理院は3月9日、人工衛星のデータなどにより小笠原諸島の硫黄島で発生した地殻変動を詳しく把握したと発表した。
国土地理院では、昨年8月ごろから活発化している硫黄島の地殻変動について、米国の衛星からの電波を利用するGPS(全地球測位システム)観測や宇宙航空研究開発機構が打ち上げた陸域観測技術衛星「だいち」のデータなどによる地殻変動解析を行ってきた。
昨年12月27日と今年2月11日観測の「だいち」のデータ解析や、昨年6月と今年1月に島内16か所(電子基準点2点を含む)で行ったGPS観測結果の比較から、西海岸付近を除く大部分の地域で、隆起量が最大46cmに達する地殻変動が発生していたことが分かった。
また、隆起した地域と西海岸付近の隆起がみられない地域との境界にある断層付近では、地表に変位が生じていることも現地調査で分かった。国土地理院では、さらに硫黄島の地殻変動観測を強化することにしている。
No.2007-10
2007年3月5日~2007年3月11日