(独)建築研究所は3月6日、つくば市(茨城)の同研究所でイタリア国立樹木・木材研究所と共同で新構法を用いて建てた木造建築の火災実験を行い、報道関係者に公開した。 木材の板を直交させて積層した「クロスラミナパネル」と呼ばれる欧州で開発された重厚なパネル材を壁と床に使って建てた3階建て建物の耐火性を調べるための実験で、優れた耐火性を持つことが実証された。 実験に使った建物の間口と奥行はそれぞれ約7m、高さは10m。この構法の建築物を使った今回のような実大規模の火災実験は、海外でもまだほとんどやられていないという。 実験は、2階の部屋の一部に火をつけてスタート、火がどのように移り、室内の温度がどこまで上昇するかを調べた。その結果、発火から1時間たっても他の部屋への延焼は起きず、燃えている部屋の温度は最高で1051℃を記録したが、厚さ85mmのパネル材で仕切った隣の部屋は18℃にしか上がらなかった。 今回の実験結果は、欧州で進められている安全基準作りに生かされることになっている。
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実験に使った3階建て木造建築物。火災実験前の様子(提供:建築研究所) |
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