(独)産業技術総合研究所は1月15日、病院や放送局などの構内通信で大容量の画像データを瞬時に配信するのに適したシステムを民間企業5社と共同で開発したと発表した。
現行のパケット通信方式の「イーサネット」より実効速度が約10倍速く、CD(コンパクトディスク)1枚分の650メガ(1メガは100万)バイトの情報を数秒で送信出来る。開発されたシステムは現在、千葉県内の中規模病院で実証試験中で、放送局でのテストも計画されている。
2~3年後の実用化を目指している。
新システムは、従来から固定電話に広く使われてきた「回線交換方式」と呼ばれる通信方式を採用し、光で光信号をオン・オフする光制御型光スイッチを複数個組み合わせて光ファイバー網を構築することで大容量データを伝送する光ネットワークを実現した。電子部品を使っていないので、電磁ノイズの発生を嫌う病院、周囲の電磁的雑音による電子機器への障害が心配な工場などでの光ネットワークとして期待できる。
このシステムのネットワークは、光ファイバーだけでデータ通信する専用回線なので、情報漏れの危険性も低い。
産総研と共にシステム開発に関わったのは、大日精化工業(株)、(株)トリマティス、(株)スペースクリエイション、(株)インターエナジー、日星電気(株)の5社。
No.2007-3
2007年1月15日~2007年1月21日