(独)産業技術総合研究所は1月17日、ジャパンマテックス(株)と共同でアスベスト(石綿)を使わないガスケットを開発したと発表した。
ガスケットは、パイプやフランジなどの接合部に挟み込む薄い板状の詰め物のこと。これまで高温部には、アスベスト製品が広く使われてきたが、平成20年までにアスベスト製ガスケットの全廃が目標として打ち出されている。
新開発のガスケットは、環境に優しい無害な材料で実現したもので、優れた取り扱い性と耐熱性を活かして製油所、化学プラント、火力発電所など広範な分野で利用可能という。
産総研は、平成16年に粘土結晶を主原料として樹脂を少量添加し、ピンホールのない均一な厚みの粘土膜を開発しているが、従来から膨張黒鉛製ガスケットを製造・販売してきたジャパンマテックスがその粘土膜と膨張黒鉛との複合化を提案、既存の非アスベスト製ガスケットより耐熱性、耐久性、耐薬品性に優れ、アスベスト製並みの優れた取り扱い性を実現したガスケットを開発した。
新開発のガスケットは、ステンレスの薄い板の上下に膨張黒鉛を重ね、その表面を粘土結晶の薄膜で覆ったもので、-240~420℃までの広い温度領域で使用できる。
No.2007-3
2007年1月15日~2007年1月21日