がんの早期診断技術開発で「研究センター」を設立:産業技術総合研究所

 (独)産業技術総合研究所は12月4日、がんなど病気の早期診断技術の開発を目指す「糖鎖医工学研究センター」を、産総研つくばセンター(茨城・つくば市)に12月1日付けで設立したと発表した。
 糖鎖は、ブドウ糖などの糖類が鎖状につながった分子で、がんなどの病気になるとタンパク質の表面にある糖鎖の構造が変化することが知られているが、その構造が複雑で解析が難しいことから構造の変化を目印(バイオマーカー)として利用することができなかった。
 産総研では、5年前から糖鎖合成に関わるヒトの遺伝子の探索や糖鎖構造を簡単に微量の試料で分析できる解析システムの開発など糖鎖に関する研究を進め、糖鎖解析の基盤技術を世界に先駆けて確立した実績を持つ。新しい研究センターは、産総研がこれまで開発した糖鎖解析技術を継承し、企業、大学、公的研究機関などと連携して病気の早期発見・診断などにつながる医療技術や診断装置などの共同研究開発を行う。