いもち病に“極強”で、直播できる水稲の新品種を開発
:農業・食品産業技術総合研究機構

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は9月19日、いもち病に対する抵抗性が“極強”で、直播栽培(じかまきさいばい)が行なえる水稲を開発したと発表した。
 苗作りと田植えを省略し、水田に直接種をまいていく水稲の直播栽培は、これからの日本の米作りのキーテクノロジーと期待され、農研機構では既に直播向きの品種「萌えみのり」を開発済みで、普及が進んでいる。
 しかし、「萌えみのり」は、稲作の難敵のいもち病に強くなく、いもち病常発地域では栽培が難しいという弱点を抱えている。
 今回の新品種を開発したのは、農研機構の東北農業研究センター(岩手・盛岡市)で、名称を「えみのあき」といい、同センターは「(葉に発生する)葉いもち、(穂に発生する)穂いもちのいずれに対しても抵抗性は“極強”」と断言している。
 味も良く、東北地域の米の主要品種「あきたこまち」、「ひとめぼれ」と同等という。
 既に新潟県と秋田県の一部産地で試験栽培が行われており、新潟県の産地では平成26年に5ha(ヘクタール、1haは10,000㎡)の作付けが計画されている。 

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グラフは「えみのあき」のいもち病抵抗性(2007年~2012年=栽培地は秋田・大仙市)の特性検定試験の結果。発病程度は、葉いもちは0(無発病)~10(全茎葉枯死)、穂いもちは0(無発病)~10(全穂罹病)のそれぞれ11段階評価となっている(提供:農研機構)