低コスト・高効率、ナノ材料でセシウム捕獲
:筑波大学

 筑波大学は4月13日、青色染料のプルシアンブルーによく似た化合物(類似体)を用いて水に溶けたセシウムを効率よく捕えて沈殿させ、除去することに成功したと発表した。この類似体は、鉄やマンガンなど安価な元素だけで構成されており、高効率で低コストの放射性セシウム除去技術の開発に道が開けると期待している。
 セシウム除去法としては、イオン交換法や吸着法が知られているが、これらは物質表面付近にセシウムを付着させるだけなので、再溶解・再汚染の問題が生じる。このため同大学の守友浩教授(数理物質系)は、セシウムイオンを結晶内部にしっかり捕えて沈殿・除去する方法を検討した。
 まず、プルシアンブルーが、2価と3価の鉄イオンがシアノ基を介していくつもつながったジャングルジム構造を持ち、その微細なすき間に金属イオンや水分子が捕えられる点に着目。このすき間の大きさをセシウムイオン(0.174nm:ナノメートル、1nmは10億分の1m)に合わせれば、より効率よくセシウムを捕えて分離、沈殿できると考えた。
 そこで、遷移金属として亜鉛やマンガン、銅やコバルトなどを加えてプルシアンブルー類似体を作り、セシウムイオンがどのくらい捕獲され、沈殿物として除去できるかを調べた。
 その結果、鉄の代わりにイオンとしてのサイズが比較的大きい亜鉛、またはマンガンのイオンに置き換えた類似体が、特に水溶液中のセシウムを効率よく捕え大幅に減らせることが分かった。
 マンガンを用いた場合、100ppm(ppmは100万分の1)という比較的低濃度で溶けていた水溶液中のセシウムが0.001ppmまで下がり、セシウムを10万分の1に低減できた。また、534ppmの高濃度溶液の場合、1gの類似体でおよそ0.4gのセシウムを除去できたという。

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