「貧酸素水塊」の研究成果を発表
:国立環境研究所

 (独)国立環境研究所は12月20日、「貧酸素水塊の形成機構と生物への影響評価に関する研究」と題する特別研究の成果報告書を発表した。
 貧酸素水塊は、水中に溶け込んでいる酸素(溶存酸素)の量が極めて少ない孤立した水域のこと。東京湾、伊勢湾、大阪湾をはじめとする閉鎖的な内湾でよく発生し、海中や海底の生物の大量死を招くことで問題となっている。
 今回の発表は、同研究所が特別研究として東京湾を調査対象に平成19年度から3年間にわたって行った研究の成果をまとめたもの。それによると、[1]酸素消費能は、水中で内部生産される植物プランクトンに由来する有機物の方が陸起源のものより非常に高く、[2]海底の泥の酸素消費速度は、泥の温度と硫化物含量に大きく依存する、ことなどが分かったという。
 得られた研究結果は、東京湾以外の貧酸素水塊に見舞われている閉鎖性海域の水環境管理・対策実施にも参考になるものと同研究所は見ている。

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