(独)産業技術総合研究所は1月26日、京都大学、日立金属(株)と共同で、マグネシウム合金板の常温成形性をアルミニウム合金並みに高める新圧延技術を開発、常温でプレス加工できる幅30cmのマグネシウム合金広幅圧延板材の作製に成功したと発表した。 すでに、日立金属が幅30cm、厚み0.3~0.6mmの同広幅圧延板材のサンプル提供を開始している。 マグネシウム合金は、資源量が豊富で、アルミ合金より軽く、鋳造品を中心に携帯電話機やノート型パソコンなどで利用が進んでいる。しかし、反面、常温での成形性がアルミや鉄より極めて悪く、常温プレス加工が非常に難しい。 開発した広幅圧延板材は、マグネシウム・亜鉛系合金に希土類元素(セリウムなど)を微量添加した合金。新技術で作る圧延材の集合組織は、従来の圧延材と比較して著しく弱い結晶配向を示すため、アルミ合金並みの常温成形性を発揮するという。この圧延材は、加熱装置を備えていない汎用のプレス機を使って加工できるので、低コスト・高生産性の成形加工が行え、既存の表面処理技術や接合技術がそのまま使える。 プレス加工は、大きなサイズのものを大量生産するのに適している。同研究所は、今後プレス加工業者との連携を進め、新技術で作製した汎用マグネシウム合金圧延板材の適用分野を拡大する実用研究を推進することにしている。 詳しくはこちら | |
新開発のマグネシウム合金広幅圧延板材(提供:産業技術総合研究所) |
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