石油代替燃料作る藻類バイオマス研究で東北大、仙台市と協定締結
:筑波大学

 筑波大学は11月7日、下水中に含まれる有機物から石油代替燃料を作る藻類バイオマスの研究・開発を東北大学、仙台市と共同で行うことを決め、同月10日に共同研究協定を締結すると発表した。
 同大学の渡邊信教授らの研究グループが発見した重油に相当する炭化水素を体内で生産する藻類の一種「オーランチオキトリウム」を使って生活排水から炭化水素燃料を得る藻類バイオマスの実証試験を3機関共同で行うというもの。筑波大は、この藻類バイオマス生産技術の実用化によって東日本大震災の被災地を日本の新たなエネルギー生産拠点にしたいとしている。
 オーランチオキトリウムは、葉緑体を持たず、光合成をせずに周囲の有機物を吸収して生育する微生物。渡邊教授らが沖縄のマングローブ林で重油に相当する炭化水素を生産して細胞内に溜め込む菌株を発見したと2010年12月につくば市で開かれた藻類の国際学会で発表したことで世界的に注目を集めている。
 今回決まった筑波大、東北大、仙台市による共同研究は、仙台市宮城野区の下水処理施設「南蒲生浄化センター」に実証プラントを建設、「燃料生産モデルと新しい循環型システムの実現を目指す」(筑波大)のが目的で、2013年度から同プラントの運用を開始する計画。

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