原発事故の復旧に使えるロボットスーツを開発
:サイバーダイン

 筑波大学発ベンチャーのサイバーダイン(株)(茨城・つくば市)は11月7日、原発事故復旧などの際の作業員の放射線被ばく量を半減できる「ロボットスーツ」を開発したと発表した。福島第1原発の事故を受けて医療・福祉用などに使われている装置をもとに緊急開発したもので、作業員の動きを妨げる放射線防護服の重さを感じることなく楽に作業できるという。
 開発した装置では、医療・福祉の現場で介護用などにすでに二百数十台が使われているロボットスーツを改良、最大60kgまでの放射線防護服の重量を支えるフレームを追加した。このスーツを身に着けると、人間の足の動きをセンサーが感知してモーター駆動の関節が動き、人間は防護服の重さを感じることなく歩行や足の屈伸などができる。
 原発事故の復旧作業現場では、通常は放射能を帯びた粉じんの付着を防ぐポリエチレン製防護服が使われており、放射線被ばく自体は防げない。タングステン製の放射線防護服を身につければ被ばくは大幅に軽減できるが、重くて長時間の現場作業での利用は困難という問題があった。今回の開発は、こうした問題を解決したもので、同社は「過酷な環境での作業リスクを低減し、災害時における早期復旧対応に役立つ」と期待している。

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模擬災害現場でのロボットスーツの運用テスト(提供:サイバーダイン)