イチゴ栽培で生じる「収穫の中休み」期間の短縮に成功
:農業・食品産業技術総合研究機構

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構は6月1日、イチゴ栽培で生じる「収穫の中休み」期間を今より30日程度短縮する新栽培技術を開発したと発表した。
 イチゴの単価は、10月、11月が高い。このため、栽培農家は、その時期の出荷を目指すが、出荷するとその後2カ月間ほど収穫できない「収穫の中休み」が生じる。
 新栽培技術は、培地の温度を下げる昇温抑制装置と、基肥(もとごえ=苗を植える前に施しておく肥料)に成分の溶出開始時期や溶出持続期間の異なる肥料を使い、中休みの短縮化を図るというもの。
 昇温抑制装置は、イチゴを植える培地を透水性のある不織布シートに入れ、不織布シートからしみ出てくる水を送風によって強制的に気化させ、その気化熱で培地の温度上昇を抑える仕組みで、日中3~5℃程度の昇温抑制効果が得られる。この装置は、立って作業ができるイチゴ栽培法として普及している高設栽培ハウスに導入でき、既に2009年度から兵庫県のイチゴ栽培圃場で実証試験が進んでいる。
 この新栽培法を開発したのは、同機構の近畿中国四国農業研究センター(広島・福山市)で、イチゴの収穫量が減る1月中の出荷量が増えて収益の向上が期待できると見ている。
 同機構では、「低コストで導入でき、小規模経営にも適した技術」といっている。

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