東北地方太平洋沖地震の地殻変動、衛星画像使い面的に把握
:国土地理院

 国土交通省国土地理院は3月17日、東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動を、(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星「だいち」が観測した「PALSAR(パルサー)」画像の分析から面的に把握したと発表した。
 PALSARは、フェーズドアレイ式Lバンド合成開口レーダーの略称。衛星から地表に向け発射した電波の反射を受信するマイクロ波レーダーの一種で、雲に覆われた曇天時でも夜でも地上を撮影できるのが特徴。
 「だいち」は、世界最大級の地球観測衛星で、2006年1月24日に「H-ⅡA」ロケットで打ち上げられ、搭載するPALSARを使い2010年2月27日に南米チリの中部で発生したM(マグニチュード)8.8のチリ地震や、同年4月14日に中国青海省で起きたM6.9の内陸地震などの地殻変動をこれまでに観測している。
 国土地理院は、「だいち」が2010年10月28日に観測した東北地方のPALSAR画像と今回のM9.0の大地震直後の3月15日に捉えたPALSAR画像を分析して、地殻変動の面的分布の一部を明らかにしたもので、牡鹿半島(宮城県)付近で最大3.5m以上の地殻変動を観測したとしている。
 同院は、「今後観測されるデータを用いて引き続き(地殻変動の)分析を行う予定」といっている。

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地球観測衛星「だいち」(提供:宇宙航空研究開発機構)