(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と(独)情報通信研究機構は1月14日、同日桜島(鹿児島)周辺で行われた火山爆発の防災訓練で技術試験衛星「きく8号」を使った衛星通信実験を行った。
「きく8号」は、JAXAが2006年12月に移動体通信の実証などを目的に打ち上げた技術試験衛星。この日の「平成20年度桜島火山爆発総合防災訓練」は、JR鹿児島駅などを中心に住民、消防、警察、自衛隊など約5000人が参加して行われ、地上の通信インフラが破壊されて使えない状況を想定して情報通信研究機構が開発した衛星通信用携帯端末を用いた「災害通信デモンストレーション実験」を実施した。
情報通信研究機構開発の衛星通信用携帯端末は、人工衛星を使って電波のやり取りをする重さ約270gの携帯電話型の端末で、災害発生時に被災現場から迅速に被災状況や避難状況などの伝送が行えるようにすることを目指している。
同携帯端末を使った今回の通信実験は、桜島の噴火で携帯電話の地上基地局が破壊されて使えないとの想定のもと実際の利用に近い形で実施され、「きく8号」を経由した音声伝送のデモンストレーションが行われた。
No.2009-2
2009年1月12日~2009年1月18日