「新潟県中越沖地震」の震源断層モデルを推定:国土地理院

 国土交通省国土地理院は7月26日、「新潟県中越沖地震」(7月16日発生)について、電子基準点による地殻変動観測や、陸域観測技術衛星「だいち」の合成開口レーダーの干渉解析、本震の震源位置などから震源断層モデルを推定したと発表した。
 それによると、地震で観測された地殻変動は、新潟県中越沖の海底をほぼ北東―南西方向に走る2枚の断層のすべりによるものと考えられるとしている。
 隣り合う2枚の断層のうち、南西側にある断層の長さは約12km、幅約10kmで、南東側(陸側)から北西側(海側)に向けて傾き下がる逆断層(傾斜角約44度)となっている。断層の上端部の深さは海底下約1.2kmで、北西側(海側)の地盤が約1.5mせり上ったとみられている。
 もう1枚の北東側にある断層は、長さ約10km、幅約10kmで、南東側(陸側)から北西側(海側)に傾き下がる逆断層(傾斜角約42度)となっている。上端部の深さは海底下約5.2kmで、北西側(海側)の地盤が約1.4mせり上がったとみられている。
 中越沖地震の後、関係機関の間では北西側(海側)から南東側(陸側)に向かって傾斜する2枚の断層が動いたとみられてきた。今回の震源断層モデルの推定では、断層の傾きがこうした見解とは逆方向となっており、断層の動きについても北西側(海側)の地塊が南東側(陸側)に乗り上げるような動きをしたと異なった見方をしている。東京電力柏崎刈羽原子力発電所の安全対策との関係もあり、今後の総合的な検討が注目されている。

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「だいち」による合成開口レーダーの干渉画像(提供:国土地理院)