(独)農業・食品産業技術総合研究機構は8月12日、平成25年度補正予算で新たに「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業」が認められ、同機構の九州沖縄農業研究センター(熊本・合志市:こうしし)が平成26年度から2年間かけて現地実証試験を実施することになったと発表した。
攻めの農林水産業を実現するには、消費者ニーズに合った農畜産物づくり、大規模経営による省力・低コスト生産体系の確立、民間企業の技術力の活用、などが必要とされている。
新事業は、水田作、畑作、畜産、島嶼部(とうしょぶ)サトウキビ栽培の4つの課題について九州沖縄農業研究センターが協力機関と連携して取り組むというもの。
水田作では、日本最大の二毛作水田地帯の北部九州地域(佐賀県、福岡県)で水稲、大麦、大豆の大規模水田高度輪作体系の実証を行う。
また、畑作では、サツマイモ、ホウレンソウの全国有数の産地である宮崎県の畑作地域で、サツマイモと露地野菜の大規模機械化生産体系の確立を目指す。
畜産では、日本有数の肉用牛産地の鹿児島県大隅地域で、飼料作物の効率的栽培、高品質サイレージ(発酵粗飼料)の製造、ICT(情報通信技術)を活用した繁殖管理、などを組み合わせ肉用牛の大規模繁殖経営の実証を行う。
サトウキビは、鹿児島県、沖縄県の島嶼部の主要生産物だが、その干ばつ被害を軽減するため、限られた水を有効活用する土壌水分モニタリング技術や保水効果を持つ堆肥の効果を検証し、サトウキビの安定・多収栽培技術の実証を行う。