宇宙帆船「イカロス」が冬眠モードに入る
:宇宙航空研究開発機構(2014年8月14日発表)

図

太陽の周りを回る宇宙帆船「イカロス」のイメージ図(提供:JAXA)

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月14日、同機構が打ち上げた世界初の宇宙帆船「イカロス(IKAROS)」が4回目の冬眠モードに入ったと発表した。

 イカロスは、2010年5月21日にH-2Aロケットで同機構の種子島宇宙センター(鹿児島・南種子町)から打ち上げられた重さ310kgの人工衛星。正式名称は、「小型ソーラー電力セイル実証機」。一辺の長さが14mの真四角なソーラーセイル(太陽帆)と呼ばれる薄膜太陽電池を一面に張り付けた超薄膜の帆で太陽光圧を受けて帆船のように宇宙空間を進み、併せて発電を行って電波を約2億km離れた地球に送り、太陽の周りを約10カ月かけて周回している。

 冬眠モードは、薄膜太陽電池による発生電力が不足して搭載機器がシャットダウン状態になることで、イカロスは太陽の周りを1周するのに要する期間の7割に当たる約7カ月間、地上への電波発信が途絶える冬眠モードになる。

 JAXAは、イカロスからの冬眠モード開けの電波を今年の5月22日から受信していたが、8月7日でその受信が止まったことで、「予測通り4回目の冬眠モードに移行した」と判断したもの。

 発表によるとイカロスは、7月の時点で、地球から約2億1,000万km、太陽から同1億3,000万kmの位置にあり、「次回の冬眠モード開けは2015年春」(JAXA)の見通し。

詳しくはこちら