(独)農業・食品産業技術総合研究所(農研機構)の野菜茶業研究所と宮城県農業・園芸総合研究所は8月24日、東日本大震災の復興に向けた大規模施設園芸実証研究施設での本格的な栽培試験がスタートしたと発表した。野菜茶業研究所を研究統括機関とし、宮城県農業・園芸総合研究所などが参画して施設園芸復興コンソーシアムを立ち上げ、施設園芸での省力化・高品質化、先進的生産技術の実証研究を進めるもので、宮城県山元町に太陽光利用型の大規模施設を建設、地域に開かれた施設として新しい栽培システムや栽培方法を研究、技術交流などを行うことにしている。
施設は、南北に80m、東西に90mの規模で、このほかに育苗ハウスや夜冷庫などが付随。施設内は、イチゴ育苗・栽培に3,924㎡、トマト育苗・栽培で2,448㎡の栽培面積を持ち、ユビキタス環境制御システム、総合環境制御システムなどの環境制御コントローラー、細霧噴霧システム、温風暖房機とヒートポンプなどの環境制御機器、雨水利用システムなどの新システムを備え、運転実証も行う。
この実証研究には、農研機構の研究所のほか、農業東北各県の農業研究センターや大学、種苗関係企業などの民間企業も参加。イチゴ栽培研究は、宮城県農業・園芸総合研究所が、トマト栽培では、野菜茶業研究所が、寒冷地の大規模施設での共通した基盤技術では、農研機構の農村工学研究所がそれぞれリーダー研究所となって取り組む。