マウスの精子が宇宙で受ける影響調べる実験を開始
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月13日、地球を周回している国際宇宙ステーション(ISS)内のマウスの精子が宇宙環境で受けた影響を調べる宇宙実験を開始したと発表した。
 この実験は、今年の8月4日、同機構の種子島宇宙センター(鹿児島・南種子町)から「H-ⅡB」ロケットで打ち上げた宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機に搭載してISSの日本の宇宙実験棟「きぼう」内の冷凍冷蔵庫に運び入れたマウスの凍結乾燥精子を使って行なうもので、「Space Pup(スペース・パップ)」実験という。
 哺乳類の生殖細胞が宇宙空間で長期間保存可能かどうかを明らかにしようとチャレンジする実験で、「きぼう」の冷凍冷蔵庫内に入れたマウスの凍結乾燥精子を再び地上に戻し、顕微授精(顕微鏡下で精子を卵子内に注入すること)を行い、受精率、出産率、放射線の影響、DNA(デオキシリボ核酸)損傷率などの各種の基礎データの取得と解析を行なう。
 「きぼう」の冷凍冷蔵庫には、「Space Pup」実験用としてマウスの凍結乾燥精子を入れたサンプルケースを3セット入れてあり、宇宙での今後2年間の経時的な変化を調べるため、それを1セットずつ3回に分けて地上に回収する計画で、最初の回収は米国のドラゴン補給船運用3号機「SpaceX-3」で行なう予定。

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