遺伝子組換えイネの隔離圃場栽培を実施
:農業生物資源研究所

 (独)農業生物資源研究所(生物研)は8月12日、開発した遺伝子組換えイネをつくば市(茨城)観音台の農業環境技術研究所(農環研)の隔離圃場(ほじょう)で栽培する実験を8月29日から開始すると発表した。
 このイネは、生物研が遺伝子組換え技術を使って開発した、複数の病害に抵抗性を持つ「複合病害抵抗性イネ」で、いもち病と、白葉枯病の両方に抵抗性を持つ。
 隔離圃場を使っての今回の栽培実験は、その内のいもち病への抵抗性を評価するため行なうもの。
 いもち病は、イネの重要病害の一つ。病原体は、カビ。日本全土で発生し、年間の被害総額は数百億円に上るといわれている。
 今回栽培実験を行う遺伝子組換えイネは、イネから単離した「WRKY45」と呼ばれる遺伝子を組み込んで複合病害抵抗性を持たせることに成功したもので、栽培は農環研内にある隔離圃場の一部、320㎡(20m×16m)を使って行なう。
 栽培は、幼苗期のいもち病(葉いもち)に対する抵抗性を調べるのが目的で、開花前に調査を終えてしまうことから「花粉の飛散はない」と同研究所はいっている。

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