(独)産業技術総合研究所は9月28日、病気や怪我で腕が不自由な人が自分自身で操作してペットボトルを口元に持ってきたりすることができる生活支援用小型軽量ロボットアーム「RAPUD(ラプド)」を開発したと発表した。 使う人の使用状況に合わせてベッドサイドのRAPUDをワンタッチで簡単に電動車いすに付け替えることもできる。ベンチャー企業のライフロボティクス(株)に技術移転し、早期に実用化する計画。 現在、筋ジストロフィーや頚椎損傷を負った人々など、使用を想定したユーザーによる評価実験が進んでいるRAPUDのアームは、樹脂製ブロック連続体が直線方向に40cmから1mまで伸び縮みする仕組みで、先端部にはハサミのように開閉してモノを掴む「手」がついている。手には、滑らないようにスポンジが着いており、500ml入りのペットボトルに相当する約500gまでのモノを掴んで持ち上げ、上下、左右、前後などに動かせる。ロボット全体の大きさは、約75cmで、重さは約6kg。 このロボットアームには、人間のひじ関節に当たる部分がないので、操作時のユーザーの視野が広く、ひじのジョイントで服など挟まれる心配がないなど、安全性も高い。アーム操作は、小型のジョイステック(操作卓)だけでなく、指先が細かく動かせない人のためにテンキー(数字キー)で数字を打ち込むタイプにして行うこともできる。 同研究所では、このRAPUDと、移動ベース、カメラ、マイクなどを組み合わせ、テーブルや床に落ちたモノの拾い上げなどにも容易に対処できるシステムに発展させたいとしている。 詳しくはこちら |
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テーブルに取り付けたRAPUD(提供:産業技術総合研究所) |
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