(独)物質・材料研究機構は3月22日、金属イオンと有機分子を数珠(じゅず)繋ぎにした新型の高分子を合成し、これが電気を流すと可逆的に色の変わる「エレクトロクロミック材料」になることを発見したと発表した。
これまでの有機エレクトロクロミック材料は、酸化還元に伴う物質の構造変化で発色を制御しているため、長い間使用すると劣化し、出せる色も2種類(例えば赤と青)で、3色以上出すのは困難だった。
今回開発した物質は、金属イオンと有機分子の間に働く引力(配位結合力という)を利用した新しいタイプの高分子で、金属イオンと有機分子が高分子化して発色する。これまでのような構造変化を伴わないため構造的な劣化がない。また、溶液中で合成でき、従来の有機高分子同様、基板上に成膜することが出来る。
これまでに、2種類の金属イオンを高分子内に導入することで、単層フィルムで赤→青→無色透明の3種類の色を表示するマルチカラー化に成功。また、有機分子の構造を変えることで緑色も出している。
導電性有機高分子は、次世代の表示装置と期待されている「電子ペーパー」の材料として注目されているが、これまでは3色以上を表示するには異なる有機高分子を層状に何層も重ねないとならなかった。
今度の新型高分子は、金属イオンと有機分子の組み合わせによって様々な色を発する高分子が設計できるので、電子ペーパーのマルチカラー化に一歩近づいたと言える。
No.2007-12
2007年3月19日~2007年3月25日



