心配な活断層「入山瀬断層」の正確な位置が判明
―6月に調査結果を公開する予定
:産業技術総合研究所(2016年5月18日発表)

 (国)産業技術総合研究所は5月18日、静岡県の富士川河口断層帯で最も活動度が高い活断層とされている「入山瀬断層」の正確な位置が調査により判明したと発表した。

 調査結果は、6月に「海陸シームレス地質情報集『駿河湾北部沿岸域』」として公開する。

 富士川河口断層帯は、富士山がある富士宮市(静岡)から静岡市の東部にかけて南北に伸びる活断層群。

 入山瀬断層は、その活断層群の中の一つ。

 富士川の河口付近を含む駿河湾から、紀伊半島、四国沖を通り九州の南東沖に至る水深4,000m級の海溝を南海トラフという。その海域で大地震が発生した場合、富士川河口断層帯のエリアは、連動して大きな被害を受ける可能性があるとされ、中でも心配されているのが入山瀬断層。

 入山瀬断層は、富士宮市から静岡市を経て南方の沖合まで繋がる活断層で、断層の活動程度を示す活動度は、最も高い「A」級とされている。

 しかし、入山瀬断層は、断層が地表に露出していないことからその実態はまだ完全に分かっていない。

 産総研は、2013年に入山瀬断層の海域部について高分解能の音波探査と地形調査を、陸域については地震探査とボーリング調査をそれぞれ実施、入山瀬断層と周辺の活断層との位置関係や活動度の差を正確に把握することができたとしている。

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