晩生の甘ガキの新品種「太豊」を開発
:農業・食品産業技術総合研究機構(2014年10月31日発表)

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構の果樹研究所は10月31日、甘み、大きさともに、「富有」並みの晩生の甘ガキの新品種を開発したと発表した。

 柿には、樹上で自然に渋みが抜ける(自然脱渋)甘ガキと、食べるために脱渋処理する必要がある渋ガキとがあり、自然脱渋する方を完全甘ガキという。新品種は、「富有」と同じ完全甘ガキ。名前は、「太豊(たいほう)」。

 現在、完全甘ガキで最も生産が多いのは、「富有」で、西日本を中心に各地で栽培されている。しかし、晩生の品種で優良な完全甘ガキは、「富有」に限られるため、晩生の品質の優れた完全甘ガキの新品種が求められていた。

 「大豊」は、種なしの生産が可能な晩生の完全甘ガキ。「富有」とほぼ同時期の11月中下旬頃収穫でき、既に徳島県、福井県、愛知県、和歌山県、兵庫県、島根県、宮崎県の各県で試作試験を実施済みで、「有望と評価され、完全甘ガキの産地で普及が進むと見込まれる」という。

 それら各県の試験研究機関での試作試験では、「富有」並みかそれ以上の大きさの果実が得られ、①糖度は16%程度と「富有」並み、②多汁な上、「富有」より果肉が軟らかい、③サクサクとした食感を持つ、という良好な結果が出ている。この苗木は、2015年秋季から販売される見込み。

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