加工しても臭わず黄色く変色しないダイコン2種を開発
:農業・食品産業技術総合研究機構(2016年1月28日発表)

 (国)農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所と渡辺農事(株)は1月28日、たくあん漬に適したダイコン「悠白(ゆうはく)」と、おろし、つまなど生食加工や切り干しに適した「サラホワイト」の2つの新品種を育成したと発表した。

 ダイコンは生産のおよそ6割が加工・業務用に使われている。しかし、主要加工品のたくあん漬は、この20年間で4分の1以下に減っている。たくあんの臭いなどが敬遠されていることが一因。また、業務用の大根おろしでは、冷凍保存で黄変やたくあん臭の発生で品質の低下が指摘されていた。

 新しく育成した2品種は、臭気や黄変の元となる物質を含まない初めての実用品種。「悠白」は、たくあん漬にしても臭気や黄変はなく、冷蔵庫での保存や電子レンジでの加熱でも臭いは気にならないという。緻密な肉質で細長く漬物原料に適している。秋まき秋冬採りで、重さ1.1kg以上になる。

 「サラホワイト」は、青首品種に比べて肉質が硬く、おろしやつま、切り干しに加工した際の歩留りが優れている。大根おろしにしてもたくあん臭はせず、製造後1年間冷凍保存しても黄変はないという。秋まき冬採り、重さは1.8kg以上になる。 

 これらのタネは平成28年夏から渡辺農事(株)から発売の予定。問い合わせは、同社(TEL04-7124-0111)。

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