音楽動画60万件の関係性・派生作品など可視化
―視聴支援システムを開発、ウェブ上で公開
:産業技術総合研究所

 (独)産業技術総合研究所は8月27日、ニコニコ動画やYouTubeといった動画共有サービス上の音楽動画60万件の関係性を抽出して可視化する音楽視聴支援サービス「Songrium(ソングリウム)」を開発、同日付で一般公開すると発表した。 Songriumを利用すると、オリジナル楽曲とその派生作品との関係をはじめ、曲の類似性や作者・演者の人間関係などの知識、理解を通して音楽コンテンツをより豊かに鑑賞し楽しむことができるという。

 

■「サビ出し機能」なども

 

 動画共有サービスの普及に伴い、オリジナル楽曲をはじめ、その派生作品など多くの音楽コンテンツが創作されるようになり、歌う、演奏する、曲に合わせて踊るといった創作活動を録画した動画が多数公開され、広く鑑賞されている。
 こうした音楽には様々な関係性があり、オリジナル楽曲とその派生関係のほか、歌詞のテーマや曲調、雰囲気などが同じか似ているといった類似関係、楽曲の作者・歌手・演奏者が同じかあるいは友人・子弟などといったクリエーターの人間関係などいろいろある。
 関係性の理解を深めることは曲の豊かな鑑賞につながり、興味ある音楽を見つけ出す手がかりにもなる。
 産総研はこれまで、作品間のつながりの大きさや関係性を分析するウェブマイニング技術、ウェブ上の楽曲の中身を自動的に解析する音楽理解技術などを開発してきた。今回はこれらの技術に基づき、動画共有サービス上の音楽動画の関係性を抽出し可視化するシステムを開発、あわせて、楽曲の中身の解析の高度化、自動連続再生などの諸機能を充実させ、実証実験を目的に一般向けに公開した。
 Songriumは派生関係の可視化(「惑星ビュー」)機能のほか、楽曲間の関係性をユーザーが自由に追加できる「矢印タグ」機能、曲調や歌声の特徴に基づく楽曲群や派生作品群の可視化機能、楽曲中の盛り上がり部分である「サビ」を見つけて視聴を容易にする「サビ出し機能」などを持つ。
 産総研は今後、産業界と連携して音楽情報検索や音楽推薦、音楽配信サービスなど様々な応用に展開していくという。

詳しくはこちら