1年間で土壌が放出するCO2量は大気中の10%以上
―地球全体対象に世界で初めて独自の計算法で推定
:森林総合研究所

 (独)森林総合研究所は10月23日、1年間に大気中に放出される二酸化炭素(CO2)のうち約10%が土壌から放出されているとの推定結果を発表した。CO2やメタンなどの温室効果ガスが土壌によってどのくらい吸収・放出されるかを、世界各地で観測した大量のデータを解析して独自の計算法を開発、これまでの報告例も含めて不確実性を評価し算定した。地球温暖化の主な原因とされるCO2の放出量を、地球全体の土壌を対象に不確実性も評価して推定したのは世界で初めて。
 土壌にかかわる吸収・放出量を推定した温室効果ガスは、CO2とメタン、一酸化二窒素(N2O)の三種類。CO2は植物の根が土壌中で呼吸するときや、植物が土壌中で分解されたときに放出される。また、N2Oは土壌中の微生物などの働きで大気中に放出されるが、メタンは反対に大気中から微生物の働きで土壌に吸収される。
 今回の研究では、地球全体で温室効果ガスの土壌による吸収・放出量をより精度よく推定するため、氷や水、泥炭土壌に覆われている場所を除く地球全体の土壌を対象に、「データ指向モデル」と呼ぶ独自の計算法に基づいて3種類の温室効果ガスの吸収・放出量を算定した。
 この結果、地球温暖化に最も大きな影響を持つCO2の土壌からの放出は、炭素換算で年間790億t、メタン吸収は同じく炭素換算で2,100万t、N2Oの放出量は窒素換算で660万tだった。大気中にはCO2が7,300億t存在しているため、土壌からの放出分はその10%以上になることがわかった。

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独自のモデルから推定された吸収・放出量の分布。Aは二酸化炭素放出量、Bはメタン吸収量、Cは一酸化二窒素放出量。二酸化炭素放出量と一酸化二窒素放出量は、熱帯域で大きく寒帯域で小さいという空間分布を示した(図A、C)が、メタン吸収量はそのような分布は見られなかった(図B)(提供:森林総合研究所)