「ハドロン実験施設」事故の答申書内容を発表
:高エネルギー加速器研究機構/日本原子力研究開発機構

 高エネルギー加速器研究機構と(独)日本原子力研究開発機構は8月27日、両機構が共同で運営する大強度陽子加速器施設(J-PARC)の「ハドロン実験施設」(茨城・東海村)で発生した放射性物質漏えい事故の検証を行なってきた有識者会議から答申書を受け、その内容を発表した。
 ハドロン実験施設は、陽子、中性子、中間子などの量子ビームを使って素粒子や原子核の実験を行う研究施設。
 そのハドロン実験施設で放射性物質の漏えい事故が起きたのは、平成25年5月23日。放射性物質の蒸気が管理区域内に拡散し、排風ファンによって管理区域外に排出される事故が生じたもの。
 今回の答申は、両機構長から諮問を受けた(公財)仁科記念財団の矢野安重・常務理事を委員長とする「J-PARCハドロン実験施設における放射性物質漏えい事故検証に係る有識者会議」が作成した。
 それによると、同有識者会議にJ-PARCセンターから出されている、安全を徹底するための組織改革▽各施設の緊急時における指揮責任者の明確化▽放射線安全評価の強化などの改善計画はいずれも「適切」、「妥当」だとし、再発防止策など地元への説明・理解を得ながら進めること、事故に対してはより迅速な通報連絡体制を確立することなどを提言。「安全確保を大前提として組織・体制を構築、地元・社会の理解を得ることを期待する」とし、速やかに運転を再開することが国民および海外の期待に応えることである、と述べている。

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