[編集発行] (公財)つくば科学万博記念財団 [協力] 科学技術振興機構(JST)・文科省研究交流センター

つくばサイエンスニュース

わかる科学

地球に似た惑星を7つ同時に発見!

(2017年3月01日)

恒星トラピスト1(左端)を回る7つの惑星(bからh)の想像図 (C)NASA/JPL-Caltech

 地球から約40光年の距離にある恒星「トラピスト1(TRAPPIST-1)」の周りで、地球に似た7つの惑星が見つかったと、NASAが2月23日に発表しました。太陽系から比較的近いところで、地球に似た惑星が7つも同時に発見されたのは初めてのことです。

 惑星が恒星の前を通り過ぎるとき、恒星の明るさは少しだけ暗くなって見えます。スピッツァー宇宙望遠鏡を初めとする世界中の10の望遠鏡でトラピスト1の明るさを1,000時間以上観測した結果、7つの惑星の存在が分かったのです。

 トラピスト1は、みずがめ座にあり、太陽よりも小さくて(大きさは木星くらい、重さは太陽の8%くらい)温度の低い、赤色矮(わい)星と呼ばれる恒星です。惑星たちは、恒星のとても近くを回っています。一周にかかる時間は1.5日~20日です。そして、どれもが地球に近い大きさでした。そのうち3つは、トラピスト1からの距離がちょうどよく、水が液体とし存在できる温度になっています。また、6つは、その密度から、地球と同じく岩石でできた惑星であると見られています。

 地球型惑星はこれまでにもいくつか発見されてきましたが、今回、地球に近いところで見つかったことから、これらの惑星に大気があるかどうかなど、より詳しく調べることが可能になります。トラピスト1の惑星には、地球のように水や大気があるのでしょうか?そして生命は存在するのでしょうか?今後の研究に期待しましょう。

 

徂徠 裕子(そらい ゆうこ)
つくばエキスポセンター 運営部 展示・催事担当
科学をネタにして楽しめることを日々探しては実践中。得意分野は天文。特に遠い宇宙の話が大好き。