宇宙ステーション補給機の安全検証結果を宇宙開発委に報告
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月13日、今秋に次世代の大型ロケット「H-IIB」で打ち上げ予定の宇宙ステーション補給機(HTV)初号機(技術実証機)の安全検証結果を同日開かれた宇宙開発委員会に報告したと発表した。
 今回のHTV技術実証機の国際宇宙ステーション(ISS)に向けての飛行の安全解析は、ISSへの接近・係留・離脱までのもので、同機の打ち上げ時と大気圏再突入時の安全検証は別途報告の予定。
 日本も実験棟「きぼう」で参加している世界15カ国のISS国際プロジェクトでは、2000年10月から3人の宇宙飛行士が順次交代しながら長期宇宙滞在を続けている。この滞在クルーへの食料・衣服や実験装置などの物資補給には、米国の宇宙機「スペースシャトル」やロシアの「ソユーズ」宇宙船と「プログレス」輸送船が使われているが、このISS補給に日本も一役果たすため、1997年度から開発してきた無人軌道間輸送機がHTV。その初号機は、今年4月中旬にJAXAの種子島宇宙センター(鹿児島・種子島)に運ばれ、打ち上げに向けて準備が進んでいる。
 HTVは、直径約4m、全長約10mの円筒状で重さは約16t。先頭から運搬物資を格納する「補給キャリア」、誘導・制御装置などを搭載した「電気モジュール」、軌道変更用のイオンエンジンなどを集めた「推進モジュール」で構成される。新開発のH-IIBロケットに搭載して打ち上げ、最大6tまでの補給物資を高度約400kmの軌道を回っているISSに送り届ける。補給が済めば、帰途には宇宙で使い終えた実験器具や汚れ物を積んでISSを離脱、地表には戻らず、地球の大気圏に再突入して燃え尽きる。
 報告によれば、安全審査はHTVのISSへの衝突、推進薬システムの爆発、電池セルの破裂など、HTV特有の問題と火災、減圧、構造破壊などISSの日本実験棟「きぼう」同様に考えなければならない問題について実施。安全制御が有効で、平成17年秋に定めた「宇宙ステーション補給機(HTV)に係る安全評価のための基本指針」に合致していることを検証した。

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