SNS利用者属性の推定高精度化
―ビッグデータ分析に有力
:筑波大学(2016年5月20日発表)

 筑波大学は5月20日、ネット上で交流の場を提供しているソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用者像を推定する新技術を開発したと発表した。年齢や性別、居住地などがわかっている利用者と未知の利用者のつながりを分析、未知の利用者の属性を高精度で推定する。ネット上に蓄積するマーケティングや社会課題の解決に有用なビッグデータを分析する有力な手法になると期待している。

 SNSでは利用者の年齢や性別、商品の購買履歴などさまざまな属性が記録されているが、それらの属性を一部しか登録されていない人も多数いる。筑波大学計算科学研究センターの北川博之教授らの研究グループは、こうした利用者の一部未知の属性を、SNSで交流する利用者同士の属性のつながりやすさを分析することで推定する技術を開発した。

 居住地がわからない利用者の場合、ネット上でつながりのある利用者の居住地から未知の利用者の居住地を推定する。従来は直接つながりのある利用者の居住地の割合のみを考慮して推定していたが、新技術では間接的につながる利用者も含めその絶対数も考慮するなどして推定するようにした。

 この結果、推定の精度が従来技術に比べて最大で26%向上することがわかった。また、従来技術では年齢や居住地、性別などの属性が同じ利用者同士がつながりやすいネットワークデータしか扱えなかったが、新技術では異なる属性を持つ利用者同士がつながりやすいネットワークデータでも利用できるという。

詳しくはこちら