沖縄・糸満市の下水処理水の再生処理施設が稼働
:国土技術政策総合研究所(2016年2月24日発表)

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実証施設のろ過膜処理施設。微粒子を高効率で除去する(提供:国土技術政策総合研究所)

 国土交通省の国土技術政策総合研究所は2月24日、微細な粒子を除去するろ過膜と、ウイルスを死滅させる紫外線消毒を組み合わせた低コストの下水処理水の再生技術の実証施設を糸満市(沖縄)西崎町の糸満市上水センターに完成、稼働を始めると発表した。

 この施設は、国土交通省の「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェジュト)」の一環で、下水処理水を再生処理して農業用水に利用しようというもの。(株)西原環境、(株)東京設計事務所、京都大学、糸満市の共同研究体が取り組んでいる。

 施設は、1日の処理量が1,000㎥。限外ろ過膜という孔径0.01μm(マイクロメートル、1μmは100万分の1m)の膜で微粒子を高効率に除去、病原性細菌を除去しウイルスを低減する。さらに、紫外線によりウイルスを死滅させるもので、これまでの技術よりも、低コストで、二酸化炭素の排出量の少ない。また、下水処理水の中の窒素、リンなどを除去しないことから、農作物の生育にプラスという。

 共同研究体では、ウイルスの除去率や薬品添加などによる従来技術とのコストの比較、水質安定性、ろ過膜の破断や紫外線強度の低下などの検知の技術などについて検証を行う。

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