イネの生育診断や高温対策への利用可能に
―作物気象データベースの改訂版を公開
:農業環境技術研究所

 (独)農業環境技術研究所は11月13日、栽培中のイネの生育診断や高温対策の策定などに必要な、2日前までの最新の作物気象データを提供する機能を備えた作物気象データベース『MeteoCrop DB』改訂版(Ver.2)を同日公開したと発表した。

 

■データ更新を月1回から毎日に

 

 MeteoCrop DBは、地球温暖化などの気候変動が日本各地のイネの生産にどのように影響するかを解析するため2009年に農環研が開発したデータベース。気温、風速、降水量、日照時間の4つの基本気象要素に加え、イネの収量や品質に大きな影響を及ぼす水田水温や穂温など、一般の気象観測では得られない水田の微気象データの推定値を、主にイネの生産にかかわる研究者、技術者ら専門家向けに提供している。
 改訂版はデータの更新をこれまでの月1回から毎日に変更するとともに、気温など4つの気象要素を観測している全国約850のアメダス地点(気象庁の無人の地域気象観測システム設置点)と、約150地点の地上気象観測所における、2日前までの最新のデータを提供できるようにした。
 MeteoCrop DBはこれまで主に温暖化対策などの基礎情報として使われてきたが、今回の改訂により、全国各地の試験研究機関や指導機関などがイネの生育状況を診断したり、高温被害の回避策を策定したりするのに活用できるという。

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