農用トラクター事故の調査・分析結果を発表
:農業・食品産業技術総合研究機構

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構は8月6日、同機構の生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)が12の道県と連携して調べたトラクター(乗用トラクター)を使う農作業で生じる事故の調査・分析結果を発表した。
 農作業での死亡事故は、全国で毎年約400件起きている。その約7割が農業機械を使う作業での死亡事故が占めているが、国による死亡事故調査結果では事故状況の詳細が明らかにされていない。
 このため、生研センターは、平成23年度から、独自の事故調査体制を持つ12の道県の協力を得て農業機械による事故について詳しい調査データの収集を行なっている。今回の発表は、最も件数が多いトラクター事故を対象に地域(道県)ごとの事故の傾向や特徴、最も件数が多い転落事故と環境条件との関係をまとめたもの。
 それによると、トラクターの死亡事故原因では、「転落転倒」が多く、全体の83%を占めている地域もある。負傷事故では、「転落転倒」とともに「追突衝突」が目立つ。
 また、トラクター転落事故は、「路上からの転落」が過半数を占め、路幅が2.5m以下の狭い道路で多く発生している。
 生研センターは、「引き続き道県や各分野の専門家との連携のもと、より具体的、効果的な対策を導くための詳細調査・分析手法の確立と、事故要因の解明に取り組んでいく」としている。

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