飼料用稲の新品種を開発
:近畿中国四国農業研究センター

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構の近畿中国四国農業研究センターは11月20日、水田で作る飼料用稲の新品種を開発したと発表した。
 名称は「たちあやか」。稲発酵粗飼料用に好適という。
 稲発酵粗飼料は、稲全体をサイロなどで乳酸菌発酵させ長期間保存できるサイレージ(発酵させた家畜用飼料)にした主に牛用の飼料のこと。
 新品種「たちあやか」は既存の飼料用稲に比べ、牛が消化しやすい茎と葉の割合が高い上に、乳酸菌発酵に必要な糖の含量が高く、倒れにくいのが特徴。
 牛にとって稲のモミは、消化が悪く、未消化モミは栄養分の損失を招くため、モミの少ない飼料用稲が求められている。「たちあやか」は、それに応えるもので、穂が極端に短く、モミの数が従来品種の3分の1程度と少ない。
 また、稲には乳酸菌のエネルギー源となる糖分が少ないためサイレージ化しにくい難点があるが、「たちあやか」は糖含量が高いためサイレージ発酵が促進され、高品質の稲発酵粗飼料が生産できるという。
 同研究センターによると、すでに平成24年度から津山市(岡山)の飼料稲生産者団体が「たちあやか」の作付けを開始しており、広島県、鳥取県の生産者団体も試作を行なっている。

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