航空産業、技術開発課題と優先度のあるべき姿探る
―研究開発ロードマップ案を作成
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月21日、日本の航空産業のあるべき姿とその実現に必要な研究開発のロードマップ案を作成、航空科学技術委員会に報告したと発表した。短・中期的には地域間輸送用旅客機「リージョナルジェット」の高い競争力、長期的には機体の全電動化など革新技術の重要性を指摘するなど技術開発課題とその優先度を整理した。今後の航空分野における国の研究開発の方向性を決める議論に役立てる。
 ロードマップは、文部科学省が第4期科学技術基本計画に基づいてJAXAに原案作成を依頼。JAXAは大学や産業界、関係省庁の専門家による委員会を組織して、[1]10年後のあるべき姿、[2]取り組むべき研究開発課題とその優先度―などを検討してきた。
 原案では、航空産業は自動車に次ぐわが国の基幹産業であり、今後も成長が期待されるとして、国際競争力強化が必要と指摘。機体、エンジン、装備品、素材(主に複合材料)の各分野で短期(10年後)、中期(20年後)、長期(30年後)における「あるべき姿」を想定し、各期間に優先的に取り組むべき研究開発課題を挙げた。
 短期・中期的には、リージョナルジェットの分野で高い競争力を持つ必要があると指摘、ロボットを活用した機体の高品質・低コスト生産技術や複合材の高性能・軽量化技術、全機システム設計技術、エンジン低騒音化のための空力系技術などに力を注ぐべきだとした。日本が圧倒的な強みを持つ炭素繊維複合材では、現在の地位をさらに確実にするため、加工技術など利用技術の向上に取り組む必要性を指摘した。
 長期的には、さらなる経済性、低環境負荷、高速性、安全性を追究した技術革新が期待されるとみており、無人運航技術や機体を油圧から全電動化にする技術の確立が重要とみている。また、水素燃料を使うエンジンなど、将来ビジネスにつながる戦略的な基礎・基盤技術への挑戦が必要としている。
 今後は、研究開発を進める際のJAXAや大学、産業界などの役割についての検討も加え、文科省の科学技術・学術審議会の航空科学技術委員会の審議に役立てる。

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