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ウェブの地理院地図をカスタマイズしやすく―洪水、津波の避難路、歩きやすい道のり検索、地理教育などに活用:国土地理院

(2018年3月8日発表)

 国土交通省国土地理院は38日、インターネットで公開している地理院地図を、利用者の好みや使い勝手に合わせて様々な機能を付加し、構成や仕様を自在に変更できるカスタマイズ・サービスを開始した。登山やサイクリング道路の高低差を調べるなど、趣味やビジネス、教育に幅広い活用が期待される。

 地理院地図は国土地理院が整備する地形図で、検索機能や災害情報など2,000以上の情報を、パソコンやスマートフォンなどから無料で引き出せる。

 今回は貴重な国民の財産の地図データを、利用者が好みに応じて自在に加工できるサービスを開始した。  

 利用の仕方は様々ある。例えば皇居一周の高低差は約26mで、8階建ての高さに相当する。ランナーはルートのどの辺りがどの程度の標高差になるかを図示して知ることで、ペース配分の調整に役立てられる。

 これまでの色別標高図は色の差がほとんどなかったため、場所によっては細かい高低差が読み難かった。

 自宅周辺の平面地図の標高差を明確に色分け表示すれば、道路の上り下りがはっきり認識できる。毎日の通勤や足の悪いお年寄りにとって歩きやすい道を探せる。災害時の避難経路も高低差がよくわかり、訓練に役立てられる。

 さらに地図をパソコン上で2画面表示することで、情報を比較しやすくなる。

 国土地理院以外の機関が配信しているデータを重ねて表示できるため、様々な社会、経済分析などへの利用が可能になる。