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鉄道車両用に新合金!:新エネルギー・産業技術総合開発機構/新構造材料技術研究組合/産業技術総合研究所ほか

(2017年11月1日発表)

 (国)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と新構造材料技術研究組合(ISMA)の組合員である産業技術総合研究所等は111日、これまでに比べて優れた機械特性をもつ難燃性マグネシウム合金押出材の作製に成功したと発表した。

 マグネシウム合金は軽くて強い特徴がある一方で、燃えやすく加工性が悪いという問題点があったが、これにより高い難燃性が求められる鉄道車両などの軽量化が期待される。     

 これまで、マグネシウム合金は加工性が悪く燃えやすいため、アルミニウム合金が用いられてきた。これらの欠点を克服するためレアアースを用いる方法もあるが、高額になるためそれらを用いずマグネシウム合金の組織をコントロールすることにより克服を目指したもの。

 難燃性マグネシウム合金を作製する場合、内部に問題となる結晶組織ができ、その結晶部分から壊れることが懸念されてきた。一方で新しい熱処理技術は、その結晶組織を球状化させ、硬化させることでその部分から壊れることがない。 

 今後、研究グループは、実際に難燃性マグネシウム合金を用いた鉄道車両等の製作などへの応用を考えている。